2008年08月
2008年08月25日
2008 APiQ!!夏の合宿報告
「だんだんたんぼ」というサイトに掲載していた記事です。
サイトが閉鎖されてしまったので、こちらに転載します。
APiQ!!(アピキュー)の夏の合宿報告
Agiri Project in 九州!!=APiQ!!(アピキュー)は2003年生まれ。「食と農をもっと身近に」をコンセプトに農業合宿を企画・運営する学生団体です。仲間は福岡を中心に九州各県、本州まで広がっています。
自分たちの食べているモノが、いったいどんなふうにできているのか。
「食」と「農」の世界に一歩踏み出すきっかけを「合宿」という形で提供しています。対象は学生が中心ですが、今まで主婦の方やフリーター、農家の方々にも参加いただきました。参加者もそれぞれ。学部も違えば興味関心のあることも違う。そんな仲間が約一週間、朝から晩まで農作業で汗を流します。
設立のきっかけは、ある企業が企画した農業インターンシップへの参加でした。場所は北海道。そこで「農」に触れたメンバーが「地元九州でも同じような取り組みができないものか」そう思って作られたのが、APiQ!!という団体です。
理解を示してくれたのは福岡県糸島郡二丈町の農家さんでした。合宿所となる民家の提供。さらに知り合いの農家さんへの声かけで、APiQ!!の土台となるネットワークが完成しました
福岡県糸島郡二丈町は海と山に囲まれた自然豊かな田園地帯です。地元の直売所は土日には売り切れ続出!新鮮な野菜や魚介類が豊富なのと合わせて、福岡中心部からわずか車で一時間、という利便性も人気の理由のひとつになっています。
設立から5年。延べ80人が「食と農」の世界へ"はじめの一歩"を踏み出しています。その二丈町で今年も農業合宿が行われました。
●第一期:2008年8月25日~30日
●第二期: 9月1日~6日
の二期に分かれて、今年は13人の参加がありました。
そのうち、第一期の様子をリポートします♪
集合
朝9時に最寄の駅に集合した参加者・スタッフ。初対面ばかりかな...と思っていたら、皆さん意外なところで知り合いだったりするんですね。
自己紹介
合宿所に着いたら、まずは自己紹介。
そして、お昼ご飯までちょっと抜き打ちテストを行います。書いてもらうのは、昨日食べたごはん。朝・昼・晩。の3食。どこで誰とどんなものを食べたのかを発表してもらいます。
「いゃ~!私、ダメ生活やん~。」
「りっちゃん、一人暮らしなのにちゃんとしとるね~」
「すご~い」
・・・
書いてもらうことで、いろんな生活が見えてきます。それを踏まえたうえで、これからの一週間を意識しながらすごしてもらいたいな。そう思ってのW.Sです。
初めての農作業
お昼を食べたら、早速着替えて作業に向かいます。
初めての農家さんに、初めての農作業。
合宿所には「家」の温かさがある
夕方にはヘトヘト、ハラぺコになって帰ってきます。
「ただいま~!!」
合宿所には、一人暮らしで忘れかけていた「家」の温かさがあふれています。
お風呂に入ったら、さあ!ごはん。
みんな食卓に並んだごはんに目がキラキラ。
普段、お肉ばっかり、パスタ中心の学生もお肉がいいだなんて、いいません。
食材は分けていただいたり、直売所で買ってきたり。
野菜中心のおかずが、おなかを満たしていきます。
おいしいと感じるのは、みんなで食べるから。
同学年のスタッフが料理している姿を見ているから。
そして、その野菜がどんな風に育っているかを知ったから。
「もぅ、動けん~」
こんなごはんがこれから一週間続きます。
ミーティング
ご飯がすんだら、ミーティングです。
「今日は草取りと、米の籾摺りをしました」
「アンキョハイスイのための土浚いをしました」
「草刈機を分解しました」
・・・
「へぇ~!?」
みんなで疑問や感じたことを共有しあいます。
話題は農業だけにとどまりません。専門性の違うみんなが、いろんな視点で話を発展させていきました。
世界情勢やマネージメント、まちおこしやさらには将来のお嫁さんの話まで、話は深夜まで及びました。
みんなで料理
翌日からは6時半起床です。7時には朝ごはんを食べて、8時からは作業が始まります。
いつもは朝ごはん抜きの人も、みそ汁・ご飯。眠たそうに、ちょっときつそうに(?)箸を運びます。
「いってきま~す」
「いってらっしゃい!!」
参加者はスタッフの愛妻弁当を持って農作業に出かけていきます。料理を作るスタッフは、みんなが料理上手とは限りません。できる人が教えながら、一緒に考えながら学んでいきます。
さまざまな作業
受け入れてくださる農家さんによって、作業はぜんぜん違います。
今期は
・自給自足、有機農法を実践している農家さん
・大規模の穀物専業農家
・大規模の米・野菜専業農家
にお世話になりました。
草取りで一日終わったのは、有機農法の農家さん。
草刈機を分解、組み立てたのは大規模の農家さん。
土浚いをしたのは米・野菜の農家さん。
以下は参加者の声です。
「ハウスの中で無理な姿勢で種を播いたり草取りをしたり、30 kgの米袋を運んだり...。そんな苦労があってこそ、食料品店で目にする綺麗な野菜や米ができるのだということがわかりました」
精米や袋つめを手伝った参加者は
「素手で触るビニル袋はそのまま店頭に並ぶので、手垢をつけないよう神経を使いました」
虫が苦手も子もがんばりました。
「クモは益虫だと教えてはもらいましたが...、いまだに苦手です。
でも、トマト畑のワイヤーを取る作業は最後までやり遂げました」
みんな成長
ミーティングは日に日にヒートアップしていきます。
参加者は昨日できなかったことを今日の目標にし、今日の反省を明日に生かします。
成長しているのは参加者だけではありません。スタッフも家事全般をやることで、一人暮らしではわからなかった'お母さん'のありがたさを感じます。
そして、農家さんも成長していきます。シャイな農家さんが5年前とは見違えるほどフレンドリーに。私たちが来ることで、新たな視点が加わり「いい刺激になる」と言ってくれます。
APiQ!!は、広くはじめの一歩を提供する場所であり続けたいと思っているのはそういうことなのです。
「この合宿にきとる子が全員、農業に関係する仕事につくわけじゃなかろうけど。でも、将来どんな仕事についてもこの経験が心のどこかにあればいい。」そう農家さんは言います。
ごはんが好きな子、何かを作ることが好きな子、農村の風景が大好きな子・・
そしてまた、出て行く先もそれぞれです。
料理に目覚めた子、人とのつながりに目覚めた子、将来への希望に目覚めた子・・・
農家さんはこうも言います。
「ごはんを食べるときに、ちょっとでも自分たちのことを思い出してくれたら幸せやね」
私たちも、みんなにとってそういう存在でありたいなと思っています。
さぁ! 今日もおいしくごはん。
(APIQ!!所属 九州大学・堀下美穂)
2008年08月24日
2008年08月15日
食育キャンプin黒木町!!
何があったのかというと・・・、
「九大生と学ぶ、感じる、食育キャンプ!!」
小学生20人と環境創造舎のスタッフと黒木町に行ってきました!!
タイトルにもあるように、今回のキャンプは食育。
その内容はなかなか濃密です。
初日の朝、小学生も大学生も自分の力でお弁当を作ってきます。
そして、午後からはみょうが(しぶい)ときゅうりの収穫をします。
そのあとには、このキャンプのメインイベント、
鶏の解体。
目を背けたい気持ちを必死にこらえて、みんな消え行く命を見守ります。
そしてみんなで作る晩御飯!!
僕の班の担当はご飯と味噌汁。
人数分のご飯の量を計算して、一生懸命研ぎます。
味噌汁は小学生に味付けをすべて託しました。
みょうがと油揚げの味噌汁は、子供の口にはあうようなものではありませんでした。
しかし、誰一人として「まずい」と言って残す人はいませんでした。
一日目だけでもこの充実した内容。
そして、二日目は・・・、
遊ぶ!!
遊ぶ!!!!
遊ぶ!!!!!!
笑う
空が近い。
いやあ、佐藤さんのまねをしてみようと思ったのですが、難しいですね!
食育キャンプの詳しいことは佐藤さんのブログでも見れます!!
→http://d.hatena.ne.jp/kab-log/20080809
とにかく楽しかったし、小学生に学ばせてもらった、貴重な二日間でした!
(byしかちゃん)
2008年08月07日
よかしまリゾート
なんて素敵なところなんでしょう
今日、志摩町の海を満喫してきました!
志摩町は本当にいいところです。
志摩町とのかかわりは6月7日と8日に行なわれたよか志摩フォーラムというイベントがきっかけです。
昨年から始まったこのイベント。
糸島で活動している人々が集まって、講演会をしたり、ブースをだして活動の紹介をしたり、ファッションショーをしたり、フリーマーケットをしたり・・・とほんとに元気で、勉強もでき、地域の暖かさを感じることが出来るイベントです。
僕たちもこのイベントで時間をとってもらって話をさせてもらったり、ファッションショーに出させてもらったりしました
普通の大学生をしていたら絶対に出来ないような経験をさせてもらいました!
そんな素敵なイベントの実行委員の方々が、なんと志摩町に招待してくださったのです!!
しかも海
青い!そして砂浜が白い!
メンバー一同思いっきり海を満喫しました
お昼もすてきなイタリアンのお店でご馳走になりました!
グァバジュースをがばっと飲んだり、クレームブリュレに「おいしすぎる!」とクレームを言ってみたりしました
志摩町の方々はクリエイティブな方が多い気がします!
志摩町にはまだまだたくさん素敵な所があると思います
この夏休みはぜひぜひ、志摩町に足を運んでみてください!
今日は本当に楽しかったです
志摩町の皆さん本当にありがとうございました
(byしょう)
2008年08月01日
牛の物語 Ⅰ
今日から8月ということで、相変わらず暑いですね
バテていないでしょうか??
現在、僕たちは、8月25日から始まる夏合宿に向けて準備をしています。
今度の合宿にはどんな人が来てくれるか、楽しみです!
まだ、参加者を募集していますので、もしよかったら参加してみてください☆
→こちらをチェック!!
さて、今日は牛の話をしたいと思います。
九州大学には、大分県の九重に牛舎がある農場がありまして、そこへ実習に行った時に習った話です。
まず、今日は家畜としての牛についてお話したいと思います。
では、「家畜」とはなんでしょうか?
「家畜」とは「その動物の繁殖が人間の制御下にある」ことをいうそうです。
つまり、人工授精で数を増やしていくのです。
ちなみに日本の牛ではすでになんと99%が人工授精です。
どうしてそんなに管理が徹底しているかというと、やはり肉質を高めるためです。
おいしいお肉を作るために、よい種牛の精子が売買されていくのです。
競走馬の世界と同じように、よい種牛の精子には高値がつきます。
0.5ccの精液がプレミアがつくと10~30万円になるそうです。
人工授精の技術は上がっているのかもしれませんが、その受精成功率は50%です。ちなみに自然交配の場合は90%以上にもなるそうです。
人工交配の方法を描写するのは難しいので、そこは割愛させてもらいます。
ただ、機械などではなく、熟練した人が行なっています。
そして、少し話が変わるのですが、乳牛にも、人工授精は行なわれています。
乳牛が牛乳を出してもらうには、子供を生んでもらわないといけません。
そのため、乳牛にも人工授精させるのです。その際、精子は肉牛のものを使います。
そして、産まれてきた乳牛と肉牛のハーフは、「国産和牛」というシールを張られてスーパーに並ぶそうです。
もともと、酪農では、メスの子供しか必要とされません。オスの乳牛はお肉としての価値もあまり無いそうです。
そのため、肉牛と掛け合わせた子供を生ませるそうです。
しかし、さらに家畜業界での技術は進歩し、乳牛から肉牛を生ませることが出来るそうです。これは、体外受精といって試験管の中で肉牛を受精させて、それを乳牛のお腹に入れて、生ませるというものです。
この方法はまだ成功率が低いため、農家の方々はほとんど利用していないそうです。
というわけで、日本の家畜がどの程度その繁殖が制御されているかわかってもらえたでしょうか??
僕も、この実情を知ったとき、とてもショックでした。
しかし、おいしいお肉を食べたいと思った消費者の欲求に、農家さんが応えてきたということも、また、事実です。
今回はこのへんでお話を終わりにしたいと思います。
また、時間があるときに、第Ⅱ話を書きたいと思いますので、よろしくお願いします。
(byしょう)