2009年02月
2009年02月26日
2009年02月22日
食と農の井戸端会議2009
「だんだんたんぼ」というサイトに掲載していた記事です。
サイトが閉鎖されてしまったので、こちらに転載します。
食と農の井戸端会議2009
~'いいかげん'な食を'良い加減'に~
222の日。
九州大学、箱崎キャンパスにおいて開催された食と農にまつわる学生イベント。
題して
「食と農の井戸端会議2009
~'いいかげん'な食を'良い加減'に~」
雨にもかかわらず、学生を中心に80人に参加いただきました。
食品偽装、農業の後継者不足、食料自給率、食生活のスタイルの変化などなど・・・
今、食と農を取り巻く問題が飛び交っています。
一見すると、どれもバラバラのようですが実はひとつの共通した問題点があったのです。
それは・・・
「食と農の距離」。
その距離を近づけるべく、私たち「食べる人」と「つくる人」である現役の農家さんとがひざを交えて話し合いました。
パネルディスカッションと分科会
第一部:パネルディスカッション
パネラーに、吉住公洋さん(農家:二丈赤米産直センター)吉田真貴子さん(社会人:APiQ!!創設者)、佐藤節子さん(食:コミュニティーレストラン筥崎公会堂)をお呼びして、食と農を取り巻く現状についてお聞きしました。
第二部:分科会 (4つのテーマに分かれて参加者の皆さんと一緒に考えました。)
①~自給率の向こう側~
自給率40%の日本。その背景には、WTOで推し進められた貿易の自由化、外国産の野菜の方が安いという事実、他にもさまざまな問題があります。自給率という観点から食と農の現状について考えました。
②~手作りのススメ~
便利な世の中となった今、いつでもどこでも簡単に「食」が手に入るようになったその一方で、それまで大切にされてきた保存食などの食にまつわる知恵は伝えられなくなってきました。家族、そして自分を大切にする「ひと手間」を見直すことが出来たように思います。
③~あなたにとっての食の安全・安心とは?~
食品偽装、残留農薬など、食の「安全・安心」が今注目を集めています。しかし、そもそも「安全・安心」とは何なのでしょうか?国産であれば「安全・安心」なのでしょうか?自分にとっての食の安全・安心とは何なのかということを考えてみました。
④~農業という仕事~
農業を仕事と考えた時に、収入支出、時間の使い方、などの生活スタイルをサラリーマンと比較し農業という仕事の特殊性、農業の持つ多面的機能を読み解いていきました。Uターン後、就農された農家さんをお呼びして議論を深めました。
今回感じたのは、つながることの大切さ。続けていくことの重要さ。
今、全国的に直売所が人気ですが、なぜでしょう。
安くて新鮮だから。
生産者の顔が見えるから。
その地域が好きだから。
・・・。
消費者が買わないことには農家さんは暮らしていけません。
言い換えるならば、おいしい野菜をたべるということは
私たちは、そうした農家さんを まず「買う」という行為をもって支えているということです。
私たちが今まで、農家さんのことを知らなかったのと同じように
農家さんも私たちのことについて知りません。
直売所でおいしい野菜を見つけたら、
その農家さんを尋ねてみるのもアリかもしれません。
その'つながり'が、わたしたちの「食」の時間をもっと楽しくしてくれるはずです。
両者が交流し、知ることを続けていけば
食と農がもっと近づいていくのではないかと思います。
キーワードは「生産者」と「消費者」の歩み寄り。
この合言葉をAPiQ!!から発信し続けようと思います。
「つながる」 「続ける」
もう、桜がほころび始めました。
河川敷には菜の花が咲き乱れています。
美しい四季折々の風景は、誰かの手によって守られています。
そんな「誰か」に思いを馳せてみる―春―もいいかもしれませんね。
(APIQ!!副代表 九州大学 農学部・堀下美穂)
※ 私たちAgri-Project in 九州!!(以下APiQ!!;アピキュー)は2003年に発足してから、福岡県二丈町で毎年夏と春に農業インターンを行っている学生団体です。メンバーは九州各県から、学年・学部問いません。昨年は食卓ブックレットの作成・販売のほか、地域の祭りに参加しました。